molumism’s blog

以前留学していたアメリカのボルチモアでの体験や、お気に入りの節約レシピなどを中心に書いています。

リカーショップ2

 以前にも書いた、ボルチモアに来て最初に行ったリカーショップ「Eddie’s liquor shop」には、3日おきくらいに通っていた。というのは、徒歩で両手に一度に持てる量に限界があったからである。6本入りパックを4つ両手に持てば、結構な重さになる。これはつまり、24本購入しても、3日ほどでなくなってしまっていたということであるから、今よりは若かったとはいえ、一言で言うと飲み過ぎである。

 そんなある日、リカーショップの店員が声をかけてくれた。「This one is good.」と彼の指さす方を見ると、「Two Hearted Ale」というビール名と、ちょっと目を引く魚のイラストが描いてある。突然声をかけられたことと、彼の風貌にも少し驚いてうまく返事ができなかったが、「あぁ…」となんとなく気の抜けた返事をしながら、購入することにし、レジへ向かった。

 その店員は、年齢はよくわからなかったが、スキンヘッドにTシャツジーンズ姿で、アジア系の顔立ちをしていた。身長はそれほど高くなかったが、Tシャツから少し見える二の腕には入れ墨が入っており、鼻ピアスもしていて、なかなかのインパクトがあった。

 家に帰ってさっそく彼に勧めてもらったビールを飲んでみると、「美味しい!」と、普段独り言は言わないのだが、思わず口に出てしまった。いわゆるIPA(インディアン・ペール・エール)で、香りが良くて、本当に美味しかった。あれから何度も購入したビールである。

 その後もその店員は会う度に色々なビールを勧めてくれた。ある日、彼が「どんなビールが好き?」と尋ねてきた。しかし、私の英語力ではなんと言って良いかわからず、とにかくアルコール度数が強いのが良い、と伝えたくて「strong beer」と言ってみたのだが、いまいち伝わらず…。困った彼は「Do you speak Korean?」と訊いてきたが、あいにく韓国語は英語以上に話せない。その日も何かしら選んでもらってビールを購入して帰ったが、次に行ったとき彼はそのことを覚えていて、「This one is strong.」と言っておすすめのビールを私に渡してくれた。これには、かなり感動してしまった。

 結局私の英語力不足のせいか、ある日を境目にこの関係は途切れてしまったが、彼のおかげで私はボルチモアで美味しいビールを堪能することができた。

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コーヒーフレーバーのビール。これも絶品。

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唐辛子フレーバーのビール。これも美味しかった。