molumism’s blog

以前留学していたアメリカのボルチモアでの体験や、お気に入りの節約レシピなどを中心に書いています。

大学初日

 ボルチモアに来てから5日後、ようやく決意をして大学へ向かうことになった。初日は交通手段が結局わからず、調べるのも面倒だったため、ボルチモアに到着した際迎えに来てくれた男性運転手に再度お願いすることにした。朝アパートへ車で来ていただき、大学まで送っていただいた。

 大学の入口まで行き、しばらく椅子に腰掛けて研究室の Y さんが来られるまで待っていた。そしていよいよ初対面の時が来た。彼女の第一声は、今でも覚えている。「○○(私の名前)さん?」聞いていたとおり、本当に日本人かと錯覚するくらい、流暢な日本語で驚いた。彼女に連れられ、研究室に向かい、しばらくしてからボスの C 先生がいらっしゃって、「初めまして」の挨拶を交わした。中国人の Y さんは医師の免許をお持ちだが、日本の大学に以前留学されており、中国語、英語、日本語の三か国語を話すトリリンガルであった。ご主人の F さんも中国人で、日本で出逢って結婚されたとのことだった。

 その日は Y さんに教わって大学のIDカードを作りに行ったり、その他諸手続きをしたりして一日を過ごした。と、記憶が定かでないのもあって、一言でまとめてしまったが、実はこの諸手続き、この先数日間にわたって続き、またもや英語の壁に突き当たってしまい、かなり大変であった。

 動物実験を行うため、忘れたけれど何かの抗体があるかどうかを調べるため、検査機関に行った時のこと。問診で相手が何を言っているか全く聞き取れず、適当に返事をして、確か採血を受けたと思うのだが、その後受付で待っていた。が、一向に名前を呼ばれる気配もないし、これは帰ってよいのだろうか?さっき説明してくれたときに「今日はもう採血の後帰っていいですよ」みたいな内容ももしかするとあったのかもしれないが、なにしろ全く理解できていない。仕方がないので、Y さんに教えてもらった英語の言い回しを使って、受付で訊いてみた。「I wonder whether I can go back to my home or not(私、今日もう帰っていいのかわからないんですが…)」すると案の定、いいですよ、との返事が来て、なんとなく切り抜けた。「I wonder whether…or not」この表現は、意外とアメリカにいるときに使うことが多かったように思う。

 新しい環境になると、ただでさえ手続きは面倒なものだが、英語となると本当に大変であった。